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賃貸物件の換気
24時間換気システムが設置されている賃貸物件について
改正建築基準法に基づくシックハウス対策の一つとして24時間換気システムが設置されている賃貸物件があります。シックハウス対策に関する法律・制度・基準には「厚生労働省室内化学物質濃度指針値」「建築基準法のシックハウス対策」「住宅性能表示制度」などがあり、建築基準法のシックハウス対策は必ず守らなくてはいけない法律です。
ホルムアルデヒドを発散しない建材を使用していても、家具からの放散が依然として存在するため、一般的には、どのような建築物にも機械換気設備の設置が必要です。たとえば住宅の場合、部屋の空気を1時間に0.5回以上入れ替える機械換気設備(24時間換気システム)を設ける必要があります。
賃貸物件の換気に関する注意点
24時間換気システムには3つの種類がある
24時間換気システムには3つの換気方式が存在します。給気と排気を換気扇などの機械によって強制的に行う「第1種換気方式」、給気を自然に行いながら排気を排気口などから自然に行う「第2種換気方式」、給気を自然に行いながら排気を機械によって強制的に行う「第3種換気方式」です。
第1種換気方式では、給気と排気の両方を機械で制御するため、空気の流れを効果的に管理でき、安定した換気効果が期待できますが、運用コストは自然な換気方式に比べて高くなります。
第2種換気システムのように、換気扇などによって給気を強制的に行いつつ自然排気を利用する場合、ランニングコストは抑えられますが、排気が不充分なデメリットがあります。これにより、結露の原因となる可能性がある点には注意が必要です。特に、外気と室内の温度差が大きい地域では、湿気が住居内に残り、内部結露が発生しやすくなるおそれがあります。
第3種換気システムは、給気口から自然給気を行いつつ換気扇などで排気を行うため、ランニングコストを抑えつつ、結露のリスクを低減できる利点があります。ただし、古典的な日本家屋などの気密性が低い住宅では、逆に天井裏などの隙間から外気が流入することがあるため、冷暖房の費用が高騰するというデメリットが存在します。
意図的に止めるとシックハウス症候群のリスクが高まる
賃貸住宅での生活において、多くの方が気になるのは、24時間換気システムの電気代や騒音などでしょう。しかし、意図的に24時間換気システムを切ることは、シックハウス症候群のリスクを高める可能性があります。それだけでなく、室内の結露やカビの原因にもなりかねません。そのため、24時間換気システムは常に運転させることがおすすめです。
騒音が気になる場合は、換気口などのフィルター部分を定期的に清掃しましょう。フィルターや設備を傷つけないように、柔らかい布や掃除機のブラシを使って優しく汚れを取り除いてください。このお手入れを1か月に1度程度行うことで、エネルギー効率を向上させ、快適な生活ができるはずです。
また、突然の異音や異臭が気になる場合は、故障や不具合の可能性があるかもしれません。その際は、不動産管理会社や大家さんと相談することをおすすめします。
換気以外にも賃貸物件選びのポイントをチェック
必ず守らなくてはいけない法律「建築基準法のシックハウス対策」により、ほとんどの賃貸物件では24時間換気システムが設置されています。当サイトでは、換気以外にもチェックすべき賃貸物件選びのポイントを解説しているため、賃貸物件を探している方はぜひ参考にしてみてください。